
以前はクルマもバイクも同じオイルを使用することが可能でした。
しかし近年ではクルマとバイクのエンジンは、根本的に異なる思想のもと設計されています。
例えば最高出力馬力を比較すると、高性能なバイクのエンジンは600ccの排気量で120馬力を搾り出すのに対して、クルマはどんなにがんばっても NA2000ccで200馬力程度です。一般的には1600ccで100馬力といったところでしょう。 エンジン回転数についても、バイクは16,000〜20,000rpmに対して、クルマは10,000rpmがやっとでしょう。
ここではバイクとクルマのエンジンの差を、数字で見ていくことにしましょう。
1.「エンジン負荷指数」という考え方
エンジン(およびエンジンオイル)にかかる負荷を指数としてわかりやすくとらえるために、私たちは「エンジン負荷指数」というものを考えてみました。
これはあくまでも勝手に作った数値ではありますが、エンジンとオイルにいかなる負荷がかかっているかをわかりやすくイメージできると思います。
上記の式に代表的なクルマとバイクの高性能エンジンを当てはめてみると・・・
| 車種例 |
排気量(L) |
馬力(bhp) |
オイル量(L) |
エンジン負荷指数 |
| ホンダ シビック typeR |
2.0 |
215 |
4.7 |
23 |
| ヤマハ YZF-R6 |
0.6 |
120 |
2.7 |
74 |
というふうに、バイクのエンジンはクルマと比べて3倍以上の高い負荷にさらされているのがわかると思います。
※一部の読者様からご意見いただきました。
上記の計算式において、たとえば「スーパーカブ等で計算するともっと厳しい数字が出る」といった内容です。これはその通りになりますね。
オイル量が少ないときは極端にエンジン負荷指数が大きくなります。
この計算式は、あくまでもオイル負荷を表すために作ったもので、この数字が全てではないことをご理解ください。
「エンジン負荷指数」ではなく「エンジンオイル負荷指数」 と表現したほうがよいかもしれませんでした。
ただし、スーパーカブなどは油量が少ない分、確実にエンジンオイルへの負荷が大きいのは事実です。
2.エンジン負荷の変化(0-60mphでの経時変化)
ここでは時間に対するエンジン負荷レベルの変化をみて見ましょう。
おわかりになると思いますが、クルマに比べてバイクの負荷ははるかに早い速度です。
クルマよりも3倍も高い負荷が、1/3の時間でかかるわけですね。
まとめ
このような厳しい条件にさらされているバイクのエンジンでは、クルマに対して開発されているエンジンオイルを流用すると、バイクのエンジン負荷に追いつかない場合がありえます。(いかに高性能な四輪用オイルとはいえ・・・)
だからこそ私たちシェルは、モーターサイクル専用のオイルとしてシェルアドバンスを一から開発し、四輪用とはまったく異なる専用の処方(ベースオイルと添加剤の組み合わせ)を組みました。
他社高性能と言われるオイルでも、四輪用と同じ処方を 用いている場合が多いのは周知の事実です。
なぜなら使いまわしを行うことで、コストを削減できるから。
バイクのオイルはクルマ用の1/10程度しか売れないからなのです。
悲しいですが、これが二輪用オイルの実態なのです。