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Shell ADVANCE

コラム
2020/09/01

バイク専用エンジンオイルの必要性

バイクのエンジン内部は非常に精密で、あらゆる部品が高速に稼働します。
金属同士の摩耗や不純物、錆などから部品を保護するためにはエンジンオイルが必要不可欠なのです。
現在、市販されているオイルの種類は多岐にわたります。
どのようなオイルが最も適しているのか悩まれていることはないでしょうか?

 

バイク専用オイルの必要性と最適なエンジンオイルの選び方をご紹介致します。

1.バイクと自動車で「専用オイル」が異なる理由

そもそも、自動車用のエンジンオイルは“摩擦調整剤”と言われる摩擦力を小さくするための添加剤が配合されており、
自動車用のオイルをバイクに使用するとクラッチが滑ってしまう可能性があります。
それは自動車とバイクでは採用されているクラッチが異なるためです。

バイクのクラッチはクラッチプレートを何枚も押し付け合いながら動力を伝達する仕組みです。
そのため、クラッチに滑りが発生すると動力が伝わらなくなり、パワーロスの原因となります。
一方で、全く滑らないとなると、摩擦熱が高くなり耐久性が問題となります。
ですから、自動車用のオイルとは異なり摩擦力と潤滑力が調整されたバイク専用オイルが必要となるのです。

※乾式クラッチ:クラッチがエンジンオイルに浸かっていない。(主に自動車で採用されています)
※湿式クラッチ:クラッチがエンジンオイルに浸かっている。(主にバイクで採用されています)

2.バイク専用オイルの役割

バイクのエンジンは自動車のエンジンと比べて、小型ながらも一瞬で高速かつ高回転を出すことができます。

エンジンオイルの潤滑箇所はエンジンだけでなく、クラッチとミッション部の潤滑役割も担っており、回転数が上がるほどオイルにかかる負担は増加します。
さらに、エンジンオイルが入る容積は小さくオイルにとって非常に過酷な環境なのです。

バイク専用オイルに求められる要求性能
■高いクラッチ性能性
■高負荷に耐えうるギア保護性
■高回転に耐えうる熱安定性

3.最適なエンジンオイルの選択

バイクはエンジン・ミッション・クラッチのすべてをエンジンオイルで潤滑します。

それぞれの部品を同時に潤滑しながら、特に負荷のかかるミッションを保護する一方でクラッチ滑りを起こさないことが重要なのです。
その為、バイクに適する性能を兼ね揃えた専用のエンジンオイルが必要なのです。
それを踏まえて最適なエンジンオイルを選ぶポイントをご紹介します。

◎適合規格に注目しましょう!

4.JASOとは

JASO(日本自動車技術会規格=Japanese Automotive Standards Organization)が定めたエンジンオイルの特性を表す規格です。

JASO規格として定めるための特性・指数

・動摩擦維持指数 ・静摩擦維持特性  ・制動時間指数


JASO規格は3つの特性・指数を測定し、分類別にバイク専用エンジンオイルを規格として定めています。

分類された規格はエンジンオイルの性能優劣を示すものではありません。

5.規格に適したエンジンオイルを使用しないとどうなるの?

MT(ミッション)車のバイクはクラッチ滑りを起こさないために、高い摩擦特性を持つオイル=MA2・MA規格が主に指定とされています。

MT車のバイクには規格に適合したオイルを選択するようにしましょう。
摩擦特性の低いMB規格のオイルをMT車に使用してしまうとクラッチの滑りが発生する恐れがあります。
指定規格以外のエンジンオイルを使用すると、クラッチやミッションを傷める原因となります。
バイクのタイプによって求められるオイル特性が異なるため、必ず指定された規格のエンジンオイルを使用するように注意してください。

※MB規格はエンジンのみを潤滑とする主にスクーターなどに指定されています。