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コラム
2026/10/01

エンジンオイル新規格 API SQとILSAC GF-7とは

API(米国石油協会)とILSAC(国際潤滑油標準化認証委員会)はエンジンオイルの性能や品質を示す新規格として、2025年3月31日からAPI SQとILSAC GF-7を開始しました。

 

近年、自動車のエンジンはダウンサイジングターボやハイブリッド化など、高性能・高効率化が急速に進んでいます。それに伴い、エンジンオイルにもこれまで以上に高い性能が求められるようになりました。

これらの要求に対して、新規格では従来のAPI SPとILSAC GF-6と比べ更に性能が向上しています。

 

本記事では、新規格であるAPI SQとILSAC GF-7の特徴と従来規格との違いについて解説します。

APIとILSACについて

・API

米国石油協会(American Petroleum Institute)が定めるエンジンオイル品質規格。ガソリン用オイルは「S」から始まる分類を使用。

 

・ILSAC

国際潤滑油標準化認証委員会(International Lubricant Standardization and Approval Committee)は日米の自動車メーカーと石油業界が共同で策定するガソリンエンジンオイル規格。

API規格に「省燃費」規格が付与。API規格と常に連動。

APIとILSACの認証マーク

規格認証を受けたオイルはオイル缶に認証マークがラベルされています。

ドーナツマーク:API規格
スターバーストマーク:ILSAC GF-7A
シールドマーク:ILSAC GF-7B

API SQとILSAC GF-7の特徴と従来規格との違い

1.省燃費性能の向上

新規格では、新油時だけでなく、走行によって劣化した後も高い省燃費性能を維持できることが求められています。

従来規格(API SP)と比較して、新油時3%以上・使用済油1.4%以上の燃費改善目標が設定されています。

 

2.清浄性能の向上

低温域での運転や短距離走行が多い環境においても、エンジン内部をクリーンに保つ性能が求められています。

エンジン内部に発生するスラッジやワニスの抑制性能がさらに強化されました。

 

3.酸化安定性の向上

高温時や高負荷時での走行では、エンジンオイルは酸化しやすく性能が低下します。

API SQ/ILSAC GF-7では、酸化によるオイル劣化を抑制し、粘度上昇の抑制、デポジットの発生抑制など、長期間にわたり安定した潤滑性能を維持できるよう性能が向上しています。

 

4.LSPI防止性能の強化

LSPI(Low Speed Pre-Ignition:低速早期着火)は、直噴エンジン(特に直噴ターボ)で起きる激しい異常燃焼です。

GF-7ではGF-6で導入されたLSPI試験を継続。
さらにオイルが劣化した状態であっても直噴ターボ車のLSPI(低速早期着火)を防止する性能が新たに厳格に求められるようになりました。

 

5.タイミングチェーン摩耗防止性能の強化

新規格ではタイミングチェーンの摩耗防止性能も引き続き重視され、チェーンの伸び率が0.085%以下から0.08%以下に改善。

 

6.ハイブリッド車対応性能の追加

GF-7では新たにハイブリッド車を想定した評価項目が追加されました。エンジンの始動・停止を頻繁に繰り返す環境下でも、オイル性能の維持力が高まりました。

 

7.低温流動性の改善

低温時でもオイルがスムーズに流れる性能について、より厳しい要求が設定されました。
寒冷時でもオイルが流れやすく、エンジン始動時のオイル供給性能がより重視されています。

 

8.シール適合性

より多くのシール材に対する適合性試験が追加。新たにACM-2、AEM-2、AEM-3、FKM-3の4つのシール材との互換性を持つエンジンオイルとなっています。

API SQ/ILSAC GF-7への切り替えは必要?

API SQ/ILSAC GF-7は、従来規格であるAPI SP/ILSAC GF-6との互換性を備えています。
そのため、これまでAPI SPやGF-6を推奨していた車両でも、メーカー指定の粘度であればAPI SQ/ILSAC GF-7適合オイルを安心して使用できます。

一方で、最新のハイブリッド車や直噴ターボエンジンでは、新規格オイルを使用することで、より優れたエンジン保護性能や省燃費性能を期待できます。