1. カシーダについて

食品機械用潤滑剤に求められる厳しい安全性

米国から世界へ。安全性基準の大きな流れ

食品製造機械や設備に使用される潤滑剤について、消費者保護先進国である米国では、古くより行政機関や団体によりその安全性が確認・監視され、規格・規制が設けられています。FDA(米国食品医薬品局、U.S. Food and Dryg Administration)は、連邦食品・医薬品・化粧品法にもとづき、食品に偶発的に触れる可能性のある潤滑剤に使用できる物質、物質群を膨大な安全性確認試験の結果をもとに「間接的食品添加物」として21 CFR 178.3570にリスト化しています。

これをもとにUSDA(米国農務省、United States Department of Agriculture)は、潤滑剤を2つのクラスに分類、認証しました。
USDA H1 :偶発的に食品に触れる可能性がある個所で使用できる潤滑剤
USDA H2 :食品に触れる可能性が無い箇所でのみ使用できる潤滑剤
その後、NSF(National Sanitation Foundation)が非食品化合物(Nomfood Compounds)のリスト化および登録プログラムを引き継ぎ、現在ではそれぞれNSF H1、NSF H2として運用、管理されています。

食品グレード潤滑剤として、事実上の世界基準であるNSF H1登録製品は、FDAが規定した物質のみを使用した潤滑剤であり、安全性が重視される食品産業において、その使用は今や必要条件となっています。

現在の潤滑剤や類するもの、熱媒体に関するカテゴリ

NSF H1:偶発的に食品と触れる可能性がある箇所で使用できる潤滑剤
NSF H2:食品と触れる可能性が無い箇所でのみ使用できる潤滑剤
NSF H3::食肉工場等で使用されるトロリーフックの防錆油

NSF HT1:偶発的に食品と触れる可能性がある箇所で使用できる熱媒体油
NSF HT2:食品と触れる可能性が無い箇所でのみ使用できる熱媒体油

世界中で活用される衛生管理手法「HACCP」(ハサップ、ハセップ)

HACCP(Hazard Analysis Critical Control Point)とは米国で生まれた安全衛生管理手法です。食品の各生産工程においてあらゆる危害(Hazard)を予測、分析(Analysis)し、その危害が発生しないよう重要(Critical)な箇所を監視、管理する(管理点、Contorol Point)ことです。すでに米国を始め、欧州各国、アジア圏の国々においても実行が義務化されています。日本においても2018年6月の食品衛生法改正にともないHACCPの制度化が始まりました

潤滑剤は化学的コンタミネーション危害の要因になり得ます。食品グレード潤滑剤の使用は緊急課題です。

より安全で、より高性能な潤滑剤カシーダ

従来の潤滑剤、一般産業用潤滑剤の処方内容、つまり使用されている物質は様々であり、経口時、特に食品のように継続的に、反復的に摂食した場合の安全性は必ずしも明らかではありません。FDAにより安全が確認された物質のみで作られたNSF H1登録製品の使用は、一定の安全をもたらすことはできます。

一方で、一般産業用潤滑剤と同等に機械を安定稼働させることが難しい製品が多かった事実があります。「食品グレード潤滑剤は性能が悪い」という概念を打ち崩すべく開発され、誕生したのが「カシーダ、カシーダFMシリーズ」です。カシーダは長きにわたり世界各国の食品製造現場に安全と安心を提供してまいりました。

カシーダはNSF H1やHT1登録製品であるだけでなく、NSF ISO21469認証を世界で初めて取得(*)した製品です。NSF ISO21469認証はNSF H1、HT1登録製品を製造するにあたって、原材料受入れ、製造から出荷まで、厳しい基準をクリアした製造工場と製品のみが取得できる認証規格です。NSFへの登録のみではなく、この認証規格において第三者監査も受け、常に正しい手順で製造、管理を行っています。より大きい安心・安全を食品製造者のみならず消費者にご提供できる製品です。

*シェルの製造工場およびシェル カシーダとして取得

さらに、輸出やインバウンド対応など国際化が進む日本の食品産業においても注目されるHALAL(ハラール、ハラル)認証やKosher(コーシャー、コーシャ)認証。カシーダはこれらの食事規定や戒律に沿った食品製造現場においても安心して使用できるHALAL認証およびKosher認証製品です。